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「DOTS」について

結核治療において問題となるのは、患者の自己判断で薬を不規則に服用するなどの治療脱落です。このような場合、耐性結核菌が高い確率で現れるので問題となります。患者本人の治療失敗を招くだけでなく、周囲の人に耐性菌を感染させてしまう危険性もあります。

このような危険を防止するために、古くからさまざまな手段が試されてきましたが、有効な方法はとても地道なものでした。その方法とは、患者の服薬を医療関係者が目の前で毎回確認するというものです。これを直接服薬観察「DOT(ドット)」と呼んでいます。1980年代中頃、治療成績が良くなかった発展途上国の治療にこのDOTを導入して、確実な成績を残しました。そして、WHOはこれを受け継いで、痰から結核菌を排菌して感染性をもつ患者を見つけるシステムも加えて、きちんとした短期化学療法を達成させることを目標に、パッケージ化しました。これを「DOTS(ドッツ)」と名づけ、強力に推し進めました。

この方法は、1980年代後半からは発展途上国だけでなく、結核罹患率が上昇した米国でも非常に有効だったので、先進国における結核対策としても、DOTSの重要性は高いものであると認められました。日本では、1990年代後半から、ホームレスの人たちを対象とした結核対策で、DOTが一部の地域で行われました。そして、その高い効果から、全体的に行われる必要があると考えられ、厚生労働省が2000年に日本版DOTSを提唱しました。さらに、2004年に結核予防法が改正された際に、法の中に取り入れられました。

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